欧州企業によるイランへの進出が勢い付いている。ノルウェーの中堅石油会社がイラン西部の油田開発に乗り出す意向を示したほか、仏トタルが大規模な天然ガス鉱区開発でイラン側と合意した。また、石油化学分野での欧州企業とイランとの関係が深まっている。(写真はイラン国旗)
ノルウェーの中堅石油会社であるDNOインターナショナルは11月16日、イラン西部のチャングン油田開発で、イラン国営石油会社(NIOC)と合意し、覚書(MOU)を締結したと発表した。チャングン油田の埋蔵量は20億バレルとされる。
一方、仏トタルのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)は、11月初旬に開催されたアブダビ石油会議で、メディアの取材に答え、イランのサウス・パース天然ガス鉱区開発で合意する見込みであることを明らかにした。11月7日付の『CNBC』が報じた。その後、トタルはサウス・パース天然ガス鉱区の第2フェーズ開発でイランのNIOCと新契約を締結したもようだ。
また、石油化学部門でもプラント建設計画が動き始めたようだ。イラン国営石油化学会社(NPC)の幹部は、トタルと英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが、イランに石油化学プラントを建設することを提案してきたという。11月2日付のサイト『プレスTV』などによると、NPC幹部は今年8月、24件の石化プロジェクトに500億ドル以上の建設費用が必要との見方を示していた。イランは今後、石化製品の製造量を現行の年間6,000万から2025年までに同1億6,000万トンに引き上げる計画という。
このほか、イラン・オイル・ターミナルズ・カンパニー(IOTC)は、海上石油ターミナルの建設・改修・浮体式石油ターミナルの建設でオランダ企業と交渉していることを明らかにした。企業名は公表されていない。IOTCの幹部は、港湾施設・タンカーから液化天然ガス(LNG)を荷揚げする設備のローディングアーム・貯蔵施設の近代化に向けた共同事業で検討しているとした。