ロシアのエネルギー企業が攻勢に出ている。国営ガスプロムが中国銀行から融資を受けることで合意したほか、国営ロスネフチは欧州向けの原油輸出量を増加する計画が伝わっている。(写真はガスプロムのHPから)
ガスプロムは3月初旬、中国銀行から20億ユーロの融資を受けることで合意した。3月4日付のサイト『UAワイヤー』などが報じた。それによると、融資対象の案件は、ガスプロムと中国石油天然ガス集団(CNPC)がすでに合意済みのパイプライン建設向けとされる。これは、ロシアで産出された天然ガスを中国に輸出する計画の一環で、事業費は総額数十億ドルを見込む。ガスプロムが中国銀行と単独で契約するのは、今回が初めてのケースという。
また、3月2日付のサイト『ワールド・マリタイム・ニュース』などによると、ガスプロムのドイツ子会社であるガスプロム・ゲルマニアがこのほど、ドイツ・バルト海沿岸のロストック港に液化天然ガス(LNG)の給油施設を完成させ、2月末にノルウェー船籍の運搬船にLNGを初給油したことが判明した。
一方、ロスネフチは2016年、ドルジバ(友好)パイプラインを通じて欧州向けの原油輸出量を前年比3~5%増の最大2,900万トンにする計画としている。3月4日付のサイト『スプートニク・インターナショナル』などが報じた。欧州向けロシア産原油の輸出量は、2014年が2,650万トン、15年が2,800万トンだったという。
ところで、ロシアの天然ガス会社であるノバテクの2015年の売上高は、前年比33%増の4,753億ルーブルとなった。また、同社の純利益は14年の373億ルーブルから744億ルーブルへと倍増。ルーブル安に加え、輸出関税の引き下げが寄与したとされる。2月26日付のサイト『AK&M』などが報じた。