米エネルギー情報局(EIA)はこのほど、米国におけるエネルギー由来の二酸化炭素(CO2)排出量や、米製造業のエネルギー消費量などに関する報告書を作成した。そのほか、米全土における風力発電の状況や、水素ステーション絡みの情報をまとめた。写真は米エネルギー省(DOE)のロゴマーク。
2016年1~6月の米国におけるエネルギー由来のCO2排出量は25億3,000万トンで、1991年以降の同期比較で最低になったことがこのほど、判明した。EIAは、気候の変化と発電プラントの燃料転換が寄与したと分析。一方、2016年の年間見通しで、EIAはCO2排出量が51億7,600万トンとなり、年間ベースでは1992年以降で最低になるとの見方を示した。他方、EIAは10月半ば、米製造業におけるエネルギー消費量が2010年から14年の間に3.7%増加したと発表した。2002年以降、初の4年連続の増加になったとしている。
米国における回収・再生紙・板紙の供給量に占める割合は、1990年の34%から2015年には67%に増加したという。EIAが10月14日、米国森林・製紙協会のデータを引用し、発表した。それによると、15年の消費量は3,100万トンで、輸出量は2,100万トンだった。リサイクル業界の調べでは、再生紙を製造する際の電力消費量は、パルプ製紙に比べて最大68%のエネルギー節減が可能になるという。
EIAはまた、2015年に全米11州で風力発電量が全体の1割を超えたと発表した。アイオワ州が31.3%で全米トップ。以下、サウスダコタ州(25.5%)、カンザス州(23.9%)と続く。ちなみに、2010年時点で、風力発電量が1割を超えた州は3州だけだったという。
最後に、水素ステーション・ネットワークを営むトゥルー・ゼロによる水素供給実績が200万マイル分に達したことが10月26日、判明した。100万マイルまでは9カ月かかったが、そこから200万マイルまでは60日間で到達。トゥルー・ゼロは、カリフォルニア州サンディエゴからロサンゼルスを経てサンタバーバラの間に水素ステーション16カ所を設置済みという。