仏エンジニアリング会社がこのほど、中東クウェートでの燃料施設の近代化工事で試運転などの役務を受注したとの情報や、クウェートの中国向け原油輸出量が過去最高を記録したといったニュースなどが報じられている。
仏エンジニアリング会社のSPIEオイル&ガス・サービシーズは10月24日、クウェート国営石油会社(KNPC)からクリーン燃料プロジェクト(CFP)にかかわる試運転・操業支援役務を受注したと発表した。このプロジェクトは現在、設計・調達・建設(EPC)段階にある。CFPの対象となるのは、アル・アーマディ、ミナ・アブドラ製油所の近代化工事で、石油精製能力の向上や、高品質な燃料製品の製造を目指しているという。契約期間は5年間。
一方、10月26日付のサイト『アラブ・ニュース』は、クウェートの中国向け9月の原油輸出量が前年同月比86%増の190万トンで、過去最高を記録したと報じた。また、1~9月の中国向け原油輸出量が前年同期比17.3%増の1,270万トンだったという。クウェートを含め、中国が世界中から調達した9月の原油輸入量は前年同月比18.3%増の日量808万バレルとなり、日量ベースでみると、過去最高記録となった。
このほか、米エネルギー情報局(EIA)は11月2日、クウェートの国別レポートの内容を更新し、発表した。それによると、2016年1月現在、同国の原油確認埋蔵量は1,020億バレル。2015年の原油類の生産量は日量約270万バレルで、このうち原油が250万バレルを占めた。石油輸出国機構(OPEC)の中で、クウェートはサウジアラビア、イラク、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)に次いで第5位の原油生産国だ。原油の輸出量は日量190万バレル。その66%がアジア・太平洋諸国向けという。また、クウェート国内における消費量は日量45万5,000バレル。国内に3つの製油所があり、総精製能力は日量93万6,000バレル。2015年の石油製品の輸出量は日量73万9,000バレルだ。
一方、EIAによると、クウェートの天然ガスの確認埋蔵量は68兆立方フィート(2016年1月現在)。2015年の天然ガス生産量は日量14億立方フィート(14年は15億立方フィート)だった。そのほか、国内消費量は日量19億立方フィートで、不足分は輸入している。