米エクソンモービルがトレーディング部門を新たに設立するとの情報が伝わっている。一方、同社が10月末に発表した2016年第3四半期(7~9月期)決算では、純利益が4割近く減少したものの、石油精製部門などの業績が堅調だったことで、損益は前四半期に比べ改善の兆しが出てきたとの指摘がある。

有力紙『フィナンシャル・タイムズ』は10月下旬、エクソンモービルがトレーディング部門の設立を検討していると報じた。自社の原油や石油製品以外に、他社製品の売買に乗り出すことになるとしている。同業他社のトレーディング部門が原油などの売買で実績を挙げていることに着目し、参入を計画しているとした。

一方、探鉱事業で、エクソンモービルは10月27日、ナイジェリア沖合Owowo-3井で大規模な原油埋蔵を発見したと発表した。埋蔵量は5~10億バレル相当にあたるとした。この油田は2鉱区を含み、水深576メートル、総深度3,173メートル、油層は140メートルという。両鉱区の権益比率は、オペレーターを務めるエクソンと、シェブロン・ナイジェリアが各27%、仏トタルE&Gナイジェリアが17%などで続く。

また、エクソンモービルは10月27日、米ルイジアナ州ポートアレンにある航空機用の潤滑油製造プラントがフル稼働したと発表した。それによると、同社は、先進の航空機燃料・潤滑油の需要量が2040年までに現在に比べ55%増えるとの見通しを示した。

このほか、エクソンモービルの買収に絡む情報も伝わる。インターオイルは11月4日、エクソンモービルによるインターオイル買収(買収額25億ドル)について、カナダ・ユーコン準州の最高裁判所が認可しなかったと発表した。

ところで、エクソンモービルが10月28日に公表した、2016年第3四半期(7~9月期)決算よると、純利益は前年同期比で38%減の26億5,000万ドル、売上高は同13%減の586億8,000万ドルだった。ただ、減損費用の減少や石油精製部門が堅調さを示したことで、業績の底入れ感が出ているとの見方も出ている。