シンガポール政府はこのほど、同国への液化天然ガス(LNG)輸入ライセンスにかかわる入札で計2社にライセンスを付与した。また、英エンジニアリング大手が、シンガポールで計画される製油所の近代化工事で基本設計業務を受注したほか、大手トレーダーが資産売却で負債削減を進めるといった情報が伝わっている。
シンガポールでエネルギー市場の運営を管轄する監督庁(EMA)はこのほど、同国の液化天然ガス(LNG)輸入に関連し、政府系投資会社のテマセク・ホールディングス傘下のパビリオンガスと、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルの子会社(シェル・イースタン・ペトロリアム)に輸入ライセンスを付与した。輸入量は各社とも年間100万トン、ライセンス期間は2017年から3年間という。
また、英エンジニアリング大手のアメック・フォスター・ウィーラーは10月初め、石油精製会社であるシンガポール・リファイニング(SRC)からジュロン島製油所(精製能力は日量29万バレル)の近代化工事にかかわる基本設計役務(FEED)を受注したと発表した。工事には、常圧・減圧蒸留装置の加熱炉周辺の設備更新などが含まれるという。SRCは、シンガポール・ペトロリアム・カンパニーと米シェブロンの合弁企業。
このほか、シンガポールのトレーダー、ノーブル・グループは10月10日、米子会社のノーブル・アメリカズ・エナジー・ソリューションズ(NAES)を、米電力会社のカルパインに10億5,000万ドルで売却することに合意したと発表した。一昨年来の油価下落などを受けて、ノーブルの業績は悪化の一途を辿った。同社はNAESの売却によって、負債20億ドル削減を目指す。ノーブルの負債総額は、昨年の36億9,000万ドルから今年第2四半期に39億2,000万ドルに増加したという。