「原油安ショック」シリーズの第49弾。一昨年来の原油安局面が現在、反転基調にある中、油価下落の影響が引き続き、企業経営を圧迫している。

豪石油・天然ガス会社のオイレックスは9月29日、パース事業所(西オーストラリア州)とインド支社の人員30%を削減するとともに、従業員の給与を一律14%カットすると発表した。給与カットは今年に入り2度目。社長とインド支社長はそれぞれ22.3%、18%の給与カットとなる。10月1日から実施とした。

豪大手スーパーマーケットのウールワースは9月30日、同社の石油製品販売事業を売却すると発表した。ウールワースは石油関連事業から撤退し、食料品販売に経営資源を集中させる。これによって、アルディやコールスといった競合大手に対する販売力を強化するという。今回の売却に関し、豪メディアは、カルテックス豪州が11億4,000万ドルで買収の意向を示していると伝えたが、ウールワースは、いくつかの提案があったものの、いずれも不十分な提案内容であったとの見解を示している。

また、サウジアラビアのラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカルは9月29日、製油所と石油化学コンプレックス(複合施設)プロジェクトに関連し、ラービグⅡの完成時期が2017年第2四半期にずれ込むとし、報告書をサウジ証券取引所(Tadawul)に提出したと発表した。遅延理由について、建設市場の事情と説明した。完成がさらに先延ばしされることで、投資額が90億5,000万ドルに膨らむ見通しだ。

このほか、資産売却を進めるブラジル国営ペトロブラスの追加情報が伝わっている。ペトロブラスの石油配給子会社であるBRディストリブイドーラ売却に関するドキュメント(提出書類)を、入札が見込まれる企業を対象に送付した。ペトロブラスが10月3日、ニュース・リリースで発表した。1,250億ドル規模の負債を抱えるペトロブラスは、今年末までに151億ドルの資産売却を実施する予定で、BRディストリブイドーラ売却もその一環とされる。