「原油安ショック」シリーズが40回目を迎えた。世界では引き続き、油価下落によって厳しい企業経営を強いられている。
メキシコ国営のペメックスがこのほど発表した2015年第4四半期決算で、同社は93億ドルの損失を計上した。年間ベースでは320億ドルの損失が出た。原油の価格下落と減産が響いたとしている。業績悪化を受けて、同社は2016年の設備投資額を55億ドル削減する見通しだ。このなかには新規の海洋開発費36億ドルも含まれるという。2月29日付のサイト『グローバル・ポスト』などが報じた。
2月29日付のサイト『OEデジタル』などによると、マレーシア国営のペトロナスは今後4年間、液化天然ガス(LNG)関連などの設備投資額を削減する。同国のサバ州沖合で計画するロタン鉱区の浮体式LNG(PFLNG2)計画も含まれる。このプロジェクトは昨年11月に作業が開始され、当初は2018年の操業開始を目指していた。また、業績悪化にともない、同社は今後6カ月以内に1,000人規模の人員削減に踏み切る予定だ。
一方、米国では、石油・天然ガス企業のアナダルコ・ペトロリアムが3月1日、2016年に30億ドルの資産売却に加え、26~28億ドル規模の投資額削減を実施すると発表した。それによると、国内で展開する陸上鉱区の投資を25億ドル削減するとともに、石油リグ(掘削装置)数を8割減らし、5基にまで縮小する方針を示した。
また、サイト『オイル・ボイス』(2月29日付)などによると、米石油会社のBNKペトロリアムはこのほど、ポーランドのポモージュ県スワプスク鉱区の探査活動から撤退することを決めた。原油価格の低迷で、採算性が悪化したためとしている。BNKは昨年、探査活動に170万ドルを投資していたという。