インドでは近年、石油製品の需要増加にともない、供給が追い付かない状況が生まれている。そのため、各企業は製油所の精製能力を増強するため、積極的な投資を行っている。今回は、インドにおける製油所の増強計画に関するニュースを取り上げる。
インド国営石油会社(IOC)は、グジャラート製油所の精製能力を現在の1,370万トン/年から2020年までに1,800万トン/年、2022年までに2,400万トン/年に増強する計画を示した。9月5日付のサイト『テレグラフ・インディア』によると、IOCが国内に保有する11製油所の総精製能力は現在、8,070万トン/年でインド全体の35%を占めている。
他方、IOCのB・アショク会長は9月半ば、インド西岸マハラーシュトラ州に建設予定の大型製油所プロジェクトに関連し、権益50%を保有する方針を打ち出した。9月14日付のサイト『エコノミック・タイムズ』が報じた。それによると、残りの50%をインド石油天然ガス公社のヒンダスタン石油(HPCL)と国営バハラット石油(BPCL)が保有するとしている。同会長はまた、今後6年間で石油・天然ガス事業に255~270億ドルが必要になるとの見通しを示した。
また、9月7日付のサイト『ザ・ヒンドゥ』などによると、IOCのグループ会社である、インド国営チェンナイ・ペトロリアム・コーポ(CPCL)は、タミル・ナードゥ州のコーベリー・ベースン製油所(CBR)について、精製能力を拡大することを検討している。投資額は約34億ドル。
このほか、HPCLは2030年までに自社で保有する製油所の精製能力を6,000万トン/年以上に引き上げる計画という。9月9日付のサイト『ビジネス・スタンダード』が報じた。それによると、サービスステーション(SS)向け燃料製品の自給率引き上げを目指すという。HPCLは、石油製品の3,400万トン/年を小売り、卸売販売する。ただ、精製能力はその半分に過ぎないのが実情のようだ。