バイオ燃料をめぐる動きが活発だ。世界で報道された、いくつかの事例を取り上げてみた。

フィンランドのネステ・オイルと、世界最大規模の家具量販会社のイケアは9月初旬、再生可能バイオプラスチック分野で提携すると発表した。ネステの再生可能ポリマー技術を活用し、プラスチック材料などの製造を手がけるという。ネステは、化石燃料を由来とする素材使用の削減を目指すイケアと思惑が一致した。今後、他の企業とも連携を図ることで、サプライチェーンの構築を図る方針だ。

ネステはまた、全量を再生可能原料から製造したディーゼルを年末から年始にかけてフィンランド国内にある一部のサービス・ステーション(SS)で販売を始める予定だ。同社が9月8日、ニュース・リリースで明らかにした。ネステが保有するNE×BTLと呼ばれる技術によって、廃棄物や残渣物などからディーゼルなどの石油製品を製造するという。全量を再生可能ディーゼルとして発売するのは、フィンランド独立100周年の記念行事の一つとされる。

他方、再生可能燃料会社の米ゲーボ(コロラド州)は9月7日、ドイツのルフトハンザ航空と、アルコールを原料とするジェット燃料(ATJ)を供給することに合意したと発表した。契約内容は、ルフトハンザがATJを年間800万ガロン、もしくは5年間で4,000万ガロンを引き取るというもの。ゲーボは、発酵プロセスにかかわる技術で、イソブタノールを製造し、合成パラフィン系の灯油留分に転換するとしている。

このほか、米農務省(USDA)は、非営利団体のアドバンスト・バイオフューエルズUSAに対し、バイオジェット燃料にかかわる研究開発の企業化調査(FS)に約1万7,000ドルを助成する。アドバンストが9月7日、発表した。助成対象は、米メリーランド州で栽培されるテンサイからバイオジェット燃料を製造するプロジェクトだ。この計画を推進するにあたり、地域経済の拡大、雇用創出や収益増加、同州のチェサピーク湾の土地改良コストの引き下げにつながるのか、といった点が、優先課題として挙げられているそうだ。