ブラジル国営石油会社のペトロブラスが、負債軽減と企業規模の縮小で資産売却を急いでいる。約1,250億ドルの負債を抱えるペトロプラスは、本年度末までに151億ドルの資産売却を進める予定という。
ノルウェー国石油会社のスタットオイルは8月30日、ブラジルのカルカラ埋蔵層でペトロブラスが保有する権益を110億ドルで取得すると発表した。スタットオイルは2020年以降、この埋蔵層で原油・天然ガスを日量7~13億バレル(原油換算)生産する計画だ。
本サイト「エネルギーフロントライン」(8月17日付)で取り上げたように、ペトロブラスは7月末、同社が保有するブラジル沖合サントス海盆のBM-S-8と呼ばれる鉱区の権益66%をノルウェーのスタットオイルに売却することに合意した。買収額は25億ドル。BM-S-8鉱区の可採埋蔵量は7~13億バレル(原油換算)とされる。
一方、ペトロブラスとスタットオイルは、ブラジル沖合の上流部門でも協力関係を強化する。両社はこのほど、サントス、カンポス海盆で今後実施される予定の公開入札への参加や、現在生産中の油田開発をさらに進めるなど、上流部門を中心とした協力に関する覚書(MOU)を締結した。8月30日付のサイト『ワールド・オイル』などによると、両社は現在、世界各地にある13鉱区で探査や生産活動を実施している。このうち、10鉱区がブラジルに存在するという。
このほか、ペトロブラスは9月初旬、天然ガス・パイプライン子会社のNTS(Nova Transportadora do Sudeste=南東部輸送事業会社)の株式90%をカナダのブルックフィールド・アセット・マネジメントに52億ドルで売却することに合意した。NTS株式の売却手続きは、9月末までに完了する予定だ。
ところで、9月6日付のサイト『ザ・ストリート』などによると、ペトロブラスは今年に入り、現時点で39億ドル相当の保有資産を売却済みとしている。