カナダのバイオ燃料会社であるエナーケムが都市ゴミからバイオ・エタノールを製造するプロセスで初めて国際認証を取得したほか、仏テクニップがオランダ企業と共同で、バイオ燃料装置の熱分解プラントの設計・調達・建設(EPC)業務を実施することで合意するなど、バイオ燃料をめぐる国際間の競争が激しくなっている。(写真はイメージ)

エナーケムは8月24日、エナーケム・アルバータ・バイオフューエルズのバイオ関連プラントが、都市ゴミからバイオ・エタノールを製造するプロセスで、国際持続可能性カーボン認証(ISCC)から初めて認証を取得したと発表した。欧州で使用されるバイオ燃料は、温室効果ガス(GHG)排出量の削減などで厳しい基準を満たすことが求められている。

また、油田サービス会社のテクニップは8月25日、蘭BTGバイオリキッズ(BTL)と共同で、バイオ燃料を製造するモジュール式熱分解プラントのEPC業務を実施することで合意したと発表した。BTLの高速熱分解技術が採用されるという。BTLは藁や製材残渣などの原料粒子と、熱した砂を混ぜ合わせて熱分解油をつくるプロセスを開発しているという。

一方、米エネルギー省(DOE)は、企業や大学、研究所などのバイオ燃料及びバイオ化学品の関連機関に対し、リグノセルロース系糖やリグニンの製造能力などに関する情報を求めている。バイオ燃料などを製造するプロセスで、中間体としてのセルロース由来の糖やリグニンの重要性が増しているとされ、提供された情報をもとに、DOEは供給能力の把握に努めるという。

このほか、バイオ燃料以外のニュースも伝わっている。米パシフィック・ノースウエスト国立研究所(PNNL)と、バイオベンチャー企業の米ランザテック(イリノイ州)は8月26日、排気ガスからジェット燃料を製造するプロジェクトを実践しているが、これを評価するのに必要となる燃料製造(5ガロン)の試作に成功したと発表した。両社は、製鉄プラントなどで排出される一酸化炭素からアルコールをつくり出し、ジェット燃料用のパラフィン系炭化水素を製造するプロセスを開発しているという。