ロシアによる海外でのエネルギー開発が目立っている。ベネズエラ沖合の天然ガス鉱区で共同探査することで合意したほか、掘削作業の結果、ベトナムで新たなコンデンセート油田を発見した。このほか、液化天然ガス(LNG)ビジネスで、中国との関係強化の動きなどが伝わっている。
ロシア国営ロスネフチとベネズエラ国営PDVSAは7月末、ベネズエラの沖合にある3つの天然ガス鉱区(パタオ、メヒジョネス、リオカリベ)を共同探査することで双方が合意した。今後、上記3鉱区の開発・生産活動にかかわる企業化調査(FS)を実施するという。生産計画に基づいて商業化の道を探るとみられる。事業化調査は2017年上半期に完了する予定だ。
一方、ロスネフチの子会社であるロスネフチ・ベトナムは8月半ば、ベトナム沖合のナム・ソン・コン海盆に保有する鉱区の掘削作業によって、新たなコンデンセート田を発見したと発表。同社は昨年の3月以降、試掘作業を行ってきた。8月12日付のサイト『リグゾーン』によると、このコンデンセート田は、ロスネフチ・ベトナムが操業するランテイ・プラットホームに近く、埋蔵量は126億立方メートルとされる。
また、ロシア国営ガスプロムの輸出部門を担うガスプロム・エクスポートは、ロシア極東地域で小規模な液化天然ガス(LNG)輸出プラントの建設を検討している。LNGは中国向けに輸出される計画だ。7月28日付のサイト『リサーチ・ビュー』などによると、今後、年産66万トンのLNGプラントが2018年半ばまでに稼働予定で、総生産能力は年間130万トンになるようだ。今回、ガスプロムによる極東地域でのLNGプラント建設は、輸出先の拡大、事業の多角化などの一環とされる。
このほか、本サイト「エネルギーコンフィデンシャル」(2016年8月23日付)で取り上げたように、ロシアとトルコは、事実上の停止状態にあったターキッシュ・ストリーム(TS)天然ガス・パイプラインの建設に関し、これを再始動させることで両国首脳が合意した。2015年11月にトルコ空軍によるロシア空軍機の撃墜事件を契機に、両国間の協議は延期され、それ以降、表立った協議はされていなかった。