中東のオマーンで、同国で初めてとなる大規模な風力発電計画が進んでいる。化石燃料からクリーンな燃料へと移行すると同時に、風力発電にかかわる技術や運営ノウハウの取得が目的とされているようだ(写真はイメージ)。また、海外進出を促進し、インドネシアで精製能力が30万バレル規模の製油所を新設する計画も浮上している。

8月4日付のサイト『ザウヤ』によると、オマーンは9月までに同国初となる風力発電プロジェクトの契約を締結する見通しという。ドファール特別行政区のハーウィールに50メガワット(MW)級の発電施設を建設する計画で、国営電力会社(Reau)とアラブ首長国連邦(UAE)のマスダールが開発作業に携わってきた。

オマーンが契約を締結した場合、最長で2年以内に稼働させる見通しだ。投資額は1億2,500万ドルと見積られている。オマーンは風力発電の導入によって、国内における化石燃料の依存度を低減させるとともに、風力タービンの製造やオペレーション技術の取得に役立てるとしている。

他方、化石燃料でみると、オマーンの2016年上半期の原油輸出量は前年同期比6.3%増の1億6,500万バレルとなった。ただ、輸出価格は一昨年来の原油安を受けて、前年同期比40.9%減の1バレルあたり35ドルだったという。コンデンセートを含めた原油類の生産量は同3.6%増の1億8,200万バレル(日量ベースで100万バレル)だった。同年1~5月の石油輸出による収入は、前年同期比44.7%減の33億4,000万ドル。輸出先の大半が中国向けで、全体の73%を占めたという。7月28日付のサイト『FANAニュース』などが報じた。

このほか、オマーン国営石油探査&生産会社(OOCEP)がインドネシアの国営プルタミナと共同で、当地に製油所を建設する計画が持ち上がっている。8月13日付の『ジャカルタ・ポスト』などによると、製油所の建設候補地に東カリマンタン州ボンタン、北スマトラ州クアラ・タンジュンが挙がっているとし、現在、両社は投資の詳細部分を詰めているという。現時点で、新設する製油所の精製能力を日量30万バレルと想定しているが、その場合、投資額は100~120億ドルになる見通しだ。