エクアドル政府は、同国の製油所建設に向けた取り組みを強化する方針だ。そのため、アジア各国を中心に海外勢による製油所建設にかかわる130億ドル相当の融資を呼びかけている。(写真はエクアドル国旗)

エクアドルのラファエル・コレア大統領は7月初旬、パシフィック製油所(精製能力は日量30万バレル)建設プロジェクトの建設資金を調達するため、政府関係者を韓国、中国、インドに派遣したことを明らかにした。エクアドル政府は現在、石油製品の輸入国から石油製品や石化製品の輸出国に脱皮しようと、石油関連プロジェクトを推進中だ。

製油所建設の計画自体は以前から俎上に上っていたが、コリア大統領は今般、製油所建設を急ぐことが重要であるとの認識を示したという。7月5日付のサイト『アンデス』などが報じた。

このほか、エクアドルは7月末、米シェブロンと40年以上にわたり続いてきた契約問題で、シェブロンに対し1億1,200万ドルを支払った。今回、エクアドルが支払いに応じたのは、2011年に仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が、エクアドルに対しシェブロンへ9,600万ドルの支払いを命じたことによる。

ところで、事の発端は1970年まで遡る。テキサコ(後にシェブロンが買収)は、エクアドル国内で資源開発を請け負う代わりに、市況より安い原油を同国向けに販売する契約を締結したものの、これを反故にされた。他方、エクアドルでは、環境汚染を起こしたとしてシェブロンに対し集団訴訟を提起した。

このほか、米エネルギー情報局(EIA)は6月29日、コロンビアの国別レポートを更新し、その内容を公表した。それによると、コロンビアは2003年に規制改革に取り組んだ結果、原油・天然ガスの生産量が増加に転じたが、一昨年来の原油価格の下落局面で、生産量の伸びは鈍化している。

原油確認埋蔵量は23億バレル(2016年1月1日付)。前年比で5.6%減となった。15年の原油類の生産量は日量100万バレル。国内消費量は同29万3,000バレルで、残りは輸出されている。輸出分のうち、米国向けが日量37万バレルで最大。原油精製能力は、国内5製油所合計で同29万1,000バレル。

一方、コロンビアの天然ガス確認埋蔵量は4兆8,000億立方フィート(2016年1月1日現在)。15年の天然ガス生産量は4,130億立方フィートで、殆ど(4,000億立方フィート)が国内で消費される。また、総生産量の約半分は、国内油田に再注入されるという。