インドではこのほど、日米印の調査チームがインド洋で初となる天然ガスハイドレートの埋蔵発見に成功したほか、インド最大の天然ガス輸入会社がバングラデシュ沖合で液化天然ガス(LNG)基地を建設する計画であることなどのニュースが伝わっている。

米国地質調査所(USGS)、日本とインド両政府の共同調査チームはこのほど、ベンガル湾で大規模な天然ガスハイドレートの埋蔵を確認した。7月26日付のサイト『IBT』などによると、調査チームは水深約1,500~2,800メートル、この海域の42カ所で掘削したという。天然ガスハイドレートがインド洋で発見されるのは今回が初めてという。今後、商業生産につながるかを慎重に検討していく方針だ。

また、インド最大の天然ガス輸入会社であるペトロネットLNGは、バングラデシュのクトゥブディア島にLNG輸入基地を建設する計画という。同島はベンガル湾に浮かぶ島で、バングラデシュの商業都市チッタゴンの南方約100キロメートルの沖合に位置する。7月6日付のサイト『エコノミック・タイムズ』によると、LNG再ガス化能力は年間500万トン、投資額は約7億4,000万ドルとしている。

一方、炭層メタン(CBM)に関連し、インド国内で新たな動きが出てきた。本サイト「フロントライン」(7月11日付)で取り上げたように、インドのエサール石油は6月21日、西ベンガル州で保有するラニガンジ・イースト鉱区のCBMの生産量が、同国で初めて日量ベースで100万sm3(smの3乗、天然ガスの体積表示=スタンダードリューベ)を超えた、と発表した。エサールは同鉱区での生産目標を日量300万sm3としている。エサールは、マティクス・ファーティライザーズ&ケミカルズにCBMを日量15万sm3供給し、残りを西ベンガル州ドゥルガプルの工業向けに供給する。

さらに、7月17日付のサイト『ナチュラルガス・アジア』は、インドのリライアンス工業が、同国中部のマディヤ・プラデーシュ州の保有鉱区でCBMの生産を近く開始すると報じた。同州のソナグプール西鉱区のフェーズ1では、すでに試験的に生産活動を行っている。リライアンスは、マディア・ブラデーシュ州で2カ所、チャッティースガル州のソンハットにCBM鉱区を保有する。今回、初期のガス生産量は日量100万立方メートルとし、今後、合わせて同350万立方メートルの生産量を想定している。