全産業における技術革新は日進月歩の勢いだ。エネルギー分野でも様々な開発が行われている。今回はその一端を紹介する。(写真はイメージ)

米航空機メーカーのロッキード・マーティンは7月6日、地球物理探査で知られるネオスとともに、地下に眠る石油・天然ガス・鉱物資源を上空から探査する次世代センサーを共同開発すると発表した。FTGプラスと呼ぶ新しい重量勾配センサーを利用することで、従来の装置と比較して感度は20倍、帯域幅が10倍になるという。ネオスのニュース・リリースによると、地下1キロメートルに存在する高さ10メートルの資源の塊が検出することができるようになるそうだ。

一方、衛星通信技術で実績のあるインテリアンは7月11日、マレーシア国営ペトロナスが運営する浮体式の液化天然ガスプロジェクト「PFLNG」に関連して、インテリアンの常時衛星通信技術がPFLNGに採用されたと発表した。インテリアンは小型衛星地上局を利用した衛星通信システムをペトロナスに提供する。これによって、PFLNGに関するデータ収集や解析、乗組員の健康管理などがより充実するとしている。

また、ハネウェル・プロセス・ソリューション(HPS)は7月11日、ロシアの石油・天然ガス会社であるクバン・オイル&ガスのクラスノダール地方にある製油所に対して、「エクスペリオンHS」と呼ぶ自動化技術を提供すると発表した。エクスペリオンHSは、製油所の様々な装置の運転状況を制御するデータの取得などに利用されるという。これによって、安全稼働につながる度合いが飛躍的に向上するとしている。

このほか、衛星通信に移動体通信の英インマルサット、IoT(モノのインターネット)企業である英ドライソン・テクノロジーズ、宅配ビジネスを手がける英ゴファーはこのほど、ロンドン市内の一酸化炭素(CO)濃度をリアルタイムに測定できるシステムを開発した。ドライソンが開発した大気汚染センサーと、インマルサットの追尾装置をバイク便に取り付けることで、移動中のCO濃度を測定する。得られたデータをインタラクティブマップに送信し、アプリで各所の汚染度を表示する仕組みという。インマルサットが7月21日、発表した。