今回は、6月23日に実施された国民投票の結果、欧州連合(EU)からの離脱が決まった英国における最近のエネルギー関連動向に関するニュースを紹介する。

英BPは7月1日、インドネシア西パプア州のタングー液化天然ガス(LNG)の拡張プロジェクトを最終投資決定(FID)したと発表。第1、第2トレイン(系列)に続き、第3トレイン(LNG生産能力は年間380万トン)を追加することで、総生産能力を同1,140万トンまで引き上げる。操業開始は2020年の予定。タングーLNGで産出されるLNGは、75%相当分がインドネシア国営電力会社であるPT. PLNに供給されるほか、25%相当分が関西電力に供給される。このプロジェクトには、多くの日本企業が参画する(三菱商事のほか、国際石油開発帝石〈INPEX〉、JX石油開発、三井物産、エルエヌジージャパン、石油天然ガス・金属鉱物資源機構〈JOGMEC〉、双日、住友商事)。

一方、7月14日付の『ロイター通信』などの報道によると、BPの子会社であるパン・アメリカン・エナジー(PAE)は2016年、アルゼンチンに14億ドルを追加投資する計画だ。投資対象先はチュブット州にあるセロ・ドラゴン油田のほか、ネウケン州などのエネルギー関連資産とされる。同社は現在、アルゼンチン南部に位置する最大のセロ・ドラゴン油田を含む4カ所で生産活動を行っている。PAEは、ネウケン州でシェールガスを生産し、2011年には非在来型の原油探査に着手している。

7月初旬には、石油・天然ガス開発会社の英タロー・オイルが、ガーナ沖合で展開するTEN石油・天然ガス田開発プロジェクトが近く完了するとの見通しを示した。浮体式の生産・貯蔵・出荷施設(FPSO)の建造、試運転などが終了したことを受けて、タローは今年末までに施設をフル稼働し、日量ベースで原油8万バレルの生産を目指すとしている。

このほか、7月5日付のサイト『エナジー・ボイス』によると、英エンジニアリング企業のペンスペンは、レバノン企業と設立した合弁会社(JV)がクウェートの石油・天然ガス企業のKGOCから天然ガス・コンデンセート・パイプラインの設計・調達・建設業務(EPC)を1,000万ドルで受注。クウェートのミナ・アル・アマディとサウジアラビアのカフジ間をつなぐ。合弁会社は2010年3月から基本設計業務(FEED)を担当してきた。