ジェット燃料開発に関して、様々な動きが引き続き盛んだ。米アラスカ航空などがアルコール由来の燃料供給で米EPICフューエルズと合意したほか、米農務省(USDA)が全米39州の108企業に対し、総額8,800万ドルの助成を行うと発表している。(写真はアラスカ航空のHPから引用)
米オレゴン州を本拠地とし、航空燃料を供給する米EPICフューエルズは6月7日、米ゲーボがアルコール由来のジェット燃料を米アラスカ航空に供給することで合意したと発表した。アラスカ航空はシアトル発サンフランシスコ行きと、シアトル発ワシントン行きの両便でバイオ燃料を使用したという。
豪州のリセラ・ファイバー・フューエルズと、カナダのキャンフォー・パルプ・プロダクツ(CPPI)はこのほど、バイオ燃料事業の合弁企業「リセラ・パルブJV」を設立したという。5月27日付のサイト『CNW』などが報じた。リセラ・パルプJVは今後、次世代バイオ燃料とバイオ化学品を製造する技術評価を実施するとしている。
このほか、米農務省(USDA)は5月末、全米39州の108企業に対し、総額8,800万ドルの助成を行うと発表した。先進バイオ燃料の増産につなげるのが狙いとしている。農業残渣物や食品廃棄物などの再生可能バイオマスを原料とするバイオ燃料の製造量に合わせ、助成金が支払われる仕組みという。
ところで、米エネルギー情報局(EIA)は6月3日、米国の原油やバイオ燃料の鉄道輸送にかかわる最新データを公表した。2016年1~3月の米原油やエタノール、バイオディーゼルの鉄道輸送量が日量110万バレルで、2013~15年の平均値と比較して19%低下したという。EIAは、鉄道利用によるエタノールとバイオディーゼルの輸送量はほぼ一定であるとした上で、原油輸送量の減少による影響が大きかったとした。
EIAによると、2010年から14年にかけては、シェール革命による米国産原油の生産量が増加したのにともない、パイプライン輸送能力を上回ったことで、超過分が鉄道輸送に回され、結果として鉄道輸送量が増える格好となっていたようだ。