南アジアのパキスタンから天然ガス埋蔵の発見や、液化天然ガス(LNG)輸入基地の建設受注、製油所の新設などに関する情報が伝わっている。

国営パキスタン石油(PPL)が5月下旬、シンド州コートリ鉱区で天然ガスの埋蔵を発見したと発表した。それによると、このガス井は今年2月初旬に掘削をスタートし、4月末に深度3,892メートルに達したところで、ガス埋蔵を確認したという。ガスの性状は判明していないが、タイトガスであるとみられる。PPLは商業ベースに乗るかどうかを確かめるため、追加の調査が必要になるとの見解を示した。

シェールオイル・ガス埋蔵量に関し、パキスタン政府はこれまで、米国際開発庁(USAID)の支援を得て調査を実施してきた。その結果、推定埋蔵量がシェールガスで10,159兆立方フィート、シェールオイルで2兆3,000億バレルであったことが判明した。他方、米エネルギー情報局(EIA)は2011年4月、パキスタンにおけるシェールガスの資源量評価で、ガスの推定埋蔵量を206兆立方フィートと公表。2013年6月には、586兆立方フィート、技術的な回収可能量を105兆立方フィートとしていた。また、シェールオイルは推定埋蔵量を2,270億バレル、技術的な回収可能量を91億バレルとした。

一方、パキスタン石油公社(PSO)は、同国で最大規模の精製能力を有する製油所の新設を計画している。5月13日付のサイト『4-トレーダーズ』などによると、投資額は60億ドルになる見通しだ。PSOは現在、この計画に投資する企業を探しているという。新設する製油所の精製能力は日量20~25万バレルで、現在、パキスタンが輸入する燃料である約1,200万トン(年間)に相当する。PSOは2012年、投資額が7億5,000万ドルの製油所建設プロジェクトを公表したものの、現時点で実現されていないため、今回の計画にどれだけの投資資金を得られるかに注目が集まる。

このほか、パキスタン・ガスポートが、国営パキスタンLNGターミナルズ社からLNG輸入基地の建設を受注した。6月9日付のサイト『LNGワールドニュース』などが報じた。カラチ南部のカシム港に建設し、投資額は1億3,500万ドルになる見通しで、2018年の完成を目指す。