5月24日から27日にかけて、東京ビックサイト(東京・江東区)で「2016 NEW環境展」、「2016 地球温暖化防止展」(主催:日報ビジネス社)が開催された。主催者によると、参加人数は延べ15万7,958人。「今回は新製品を発表する出展社が目立ち、商談につながったケースが多かった」(同)という。会場では、専門家による「木質バイオマス発電の最新動向」といったテーマの記念セミナーも多数開催され、エネルギー企業関係者らが熱心に耳を傾けた。今回は、木質ペレット(製材副産物を圧縮成型した小粒の固形燃料)を利用した発電関係の展示ブースを中心に出展者らに話を聞いた。
フォレストエナジー門川(宮崎県)は、燃料用木質ペレットの製造・ペレットストーブの販売などを手がける。今回、「環境展」に初めて参加したそうだ。ブースでは韓国製の暖房装置を展示していた。同社の日吉淳取締役(=写真=)は「オンドル(床暖房)が発達した韓国の暖房装置は性能が高く、日本でも売れるはず」と見込む。また、「新潟県、福島県、石川県から(当社の)特約代理店になりたいとの申し出もあった」(日吉氏)とし、今回の展示を契機に、全国レベルでの販売活動を拡大する予定だ。
バイオマス発電事業のコンサルタント業務や、家庭用ペレットの販売などを手がけるBPC(東京・中央区)も初参加だ。今年4月の小売り電力自由化がビジネスチャンスと捉えているようだ。ブースでは木質ペレットで製造したネコ用の尿吸収ペレット「Pelle Cat(ペレキャット)」を展示。また、発電燃料としてのペレット利用について、同社秘書室の塚本由利子室長は、タイのサイアム・インター・バイオマス社とバイオマス事業の共同展開で4月に覚書(MOU)を締結したとし「3年後に輸入量を年間125万トンまで拡大したい」と話した。サイアムは、木質ペレットの供給に向けて、年間1,500万トン以上の原材料の確保を開始したという。
岩手県釜石市でプラント・省力化機械製作を手がける石村工業。ブースでは、木質ペレットと薪を兼用する家庭用ストーブを展示した。同社・営業技術の村井智哉氏は「4日間で展示品はすべて売れた」と満足げだ。今後、農業用や業務用ストーブの展示・販売活動に力を注ぐという。ただ、「灯油価格が安い中、木質ペレット使用のランニングコストがかかることも事実」とし、バイオマス原料が「多方面から注目されることを期待する」と述べた。