圧縮天然ガス(CNG)を巡る動きが、欧米諸国を中心に活発となっている。仏大手電力会社のエンジーが、フランス国内でトラック向けCNG給油所30カ所を新設するほか、米大手運送会社のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が1億ドルを投資して、CNGステーションを新設する計画を発表している。(写真はUPSのロゴマーク)
エンジーは3月末、2020年までに1億ユーロを投資し、欧州でトラック向けLNG給油所7カ所と、フランス国内にCNG給油所30カ所を建設する計画を発表した。
エンジーはこれまで、フランスを中心に140カ所のCNG給油所を建設しているという。また、フセンスやオランダでLNG給油所を4カ所設置し、操業している。CNG自動車は、天然ガスを気体の状態で高圧をかけ、ガス容器に貯蔵する車両を指す。エンジーは、トラック燃料にCNGやLNGを利用するため、給油所ネットワークの充実を図るとしている。
一方、米ペンシルベニア州運輸局(PennDOT)はこのほど、CNG給油ステーション・プログラムで、米シカゴを本拠地とするトリリウムCNGグループと契約した。トリリウムは、CNG設備の設計・建設・運転・保守などを担当し、官民パートナーシップで20年間にわたり運営される見通しだ。契約額は8,450万ドル。トリリウムは5年かけて、CNGステーションを建設する見通しとした。
このほか、米大手運送会社のUPSは、1億ドルを投資してCNGステーションを新たに12カ所建設し、CNG車両を380台増やす計画という。3月15日、UPSが発表した。
UPSは、CNGステーションを増やすことで、環境負荷の低減や、燃料調達の多様化につながると判断したようだ。UPSは現在、米国でEV(電気自動車)、HV(ハイブリッド自動車)、CNG、LNG、プロパン燃料車などを合わせて6,340台保有しているという。また、米国内に18カ所のCNG給油ステーションを展開中だ。