バングラデシュ国営石油・天然ガス公社のペトロバングラと液化天然ガス(LNG)企業の米エクセレレートがこのほど、ベンガル湾で洋上LNG施設(FSRU)を建設することで合意した。

4月1日付のサイト『LNGワールド・ニュース』などによると、ペトロバングラとエクセレレートはこのほど、ベンガル湾のモヘシュクハリ島沿岸に浮体式のLNG施設を建設することで合意したという。ガス化能力は日量5億立方フィートで、建設工期を2年弱と見込む。2017年中の操業開始を目指す。米エネルギー情報局(EIA)によると、バングラデシュの天然ガス需要量は日量3億2,000万フィートであるのに対し、生産量は同2億7,000フィートで、供給不足の状態にある。

2014年1月初旬に実施されたバングラデシュの総選挙で、与党のアワミ連盟が圧勝。当時、ハシナ首相が「5年以内に浮体式LNG受入施設を建設する」との公約を掲げたものの、資金難に加え、不安定な政治状況が影響してか、プロジェクトは予定していたよりも大幅に遅れた。

ペトロバングラの計画では、ダッカを本拠とする国営ガス輸送会社のGTCL(ガス・トランスミッション・カンパニー)がパイプラインを敷設し、商業都市チッタゴンなどに向けてガスを供給する。LNGの調達について、バングラデシュは2011年1月にカタール・ペトロリアム(QP)と年ベースで400万トンの売買契約で基本合意したが、当初計画より引き取り開始が大幅に遅れていた。政府の資金難や、役所での事務手続きが遅れていることが主因とされた。

バングラデシュはもともと、天然ガスと石炭が豊富とされ、同国でのエネルギー供給で、天然ガスが重要な役割を担ってきた。ところが、経済発展とともにエネルギー需要の拡大にともない、国内生産分でカバーすることが困難となっている。天然ガス開発の促進とLNG輸入に向けたインフラ整備に乗り出すことが急務となっていただけに、政府関係者は念願の洋上LNG施設建設のスタートに期待を寄せているという。