米国の石油・天然ガス開発企業のコーベイ・パーク・エナジーがこのほど、米ヒューストンに本社を置くEPエナジーからルイジアナ州のシェールガス資産を買収することが判明したほか、スイスの化学会社であるINEOSが、米国産シェールガス由来のエタンを原料にエタンクラッカー(エタンを原料にエチレンなどを生産する装置)を8年ぶりに再起動させるなどのニュースが伝わっている。
コーベイ・パーク・エナジーは3月23日、EPエナジーから米ルイジアナ州ヘイネスビルとボージャーのシェールガス資産を4億2,000万ドルで買収すると発表した。面積は5万3,000エーカーに及ぶという。EPエナジーの2015年第4四半期(10~12月)のシェールガス生産量は、日量1億1,300万立方フィートだった。今回の買収によって、コーベイはテキサス、ルイジアナ両州で約20万エーカーの開発エリアと、シェールガス埋蔵量で約2兆立方フィートを保有することになる。
他方、INEOSはこのほど、北海に面したフォース湾の奥に位置する、英スコットランド中部のグランジマウスのエタンクラッカー(2トレイン)の試運転に成功、クラッカーを8年ぶりに再稼働することが決まった。3月29日付のサイト『BBCニュース』などが報じた。このプラントでは、米国から輸入するシェールガス由来のエタンを原料に使用する。米国産エタンの最初の輸入は今秋になる見通しとしている。
米エネルギー情報局(EIA)によると、米国における今年4月のシェールオイル生産量は、前月比で日量12万1,000バレル減の同487万バレルで、6カ月連続で前月の水準を下回るとの予測を示した。このうち、ノース・ダコタ州バッケンのシェール層で同2万8,000バレル、テキサス州イーグルフォードのシェール層で同5万8,000バレル、それぞれ減少する見通しとした。
天然ガス関連では、米国でシェールガス開発が進んだ結果、2006年以降、増産が続いている。これにともない、EIAは、手薄となる液化天然ガス(LNG)の輸出基地の建設を促している。