2017年12月の法改正で、米国の北極野生生物国家保護区(ANWR)における石油・天然ガス開発が解禁された。米エネルギー情報局(EIA)はこのほど、ANWRの開発によって、年次予測の基準ケースに比べて、2031~50年の原油生産量を34億バレル積み増すとの見通しを示した。また、ANWR内の生産開始は、権益付与・探査・開発・インフラ整備などの期間を考慮すると、2031年以降になるとした。
米国国勢調査局の年次報告によると、2017年の米国からカナダへのエネルギー輸出額は180億ドルで、カナダへの総輸出額の6%を占めた。一方、カナダからの輸入額は、730億ドルで、総輸入額の24%。前年比で19%増加した。このうち、原油輸入量は日量340万バレルで、米国の原油輸入量の43%で、輸入額は500億ドルに達した。EIAは、輸入量の増加と原油価格の上昇が影響したと分析。米国は現在、加アルバータ州産の重質原油を大量に輸入し、中西部・メキシコ湾岸地域で精製している。
米エネルギー省(DOE)は5月21日、2017年の、米国のプラグイン自動車(PHEV・BEV)の電力消費量が1.94テラワット時(TWh)を記録したと発表した。2011年の0.02TWhに比べ100倍となった。電力消費量の占有率は、バッテリー電気自動車(EV)が57%、プラグインハイブリッド車(PHEV)は43%だった。
このほか、EIAは5月21日、米国における電気自動車(HEV、PHEV、BEV)の販売台数は増加するものの、シェアの伸びは鈍いとする内容の報告書を公表した。2012~17年の間に、車種は58から95に増えたが、電気自動車の軽量車に占める販売シェアは2.5%-4.0%にとどまっているという。HEVのシェアは最大であるが、PHEV・BEVの増加に伴って減少傾向にある。
ところで、EIAは5月7日、米国の発電能力が2018年に、過去10年間で最大の32ギガワット(GW)分増加すると予測。2018年1~2月の発電能力の新設分は2GWで、その98%が、風力やソーラーなどの再生可能発電だった。