3月28日付の『FARS NEWS』などによると、イラクの国営石油販売会社(SOMO)のアル-ヤシーリ社長は、同国のキルクークからイランのケルマンシャー製油所への原油輸出を近く開始すると語った。イラクとイランは2017年、原油のスワップ取引に合意し、イラクは原油(日量ベースで6万バレル)をイランに輸出することになっていた。

また、イラクのルアイビ石油相は、同国南部の油田地域で製油所の精製能力を、2018年末までに日量28万バレルに引き上げるとの見通しを示した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国でイラクはサウジアラビアに次ぐ石油生産国である。イラクでは現在、バスラ製油所の第4精製プラント(精製能力は日量7万バレル)の建設工事が始まっているという。

このほか、ベーカーヒューズ・ゼネラルエレクトリック(BHGE)は4月2日、イラク南部のナシリアなど2油田の原油随伴天然ガスの処理設備を同国政府から受注したと発表した。イラク政府は、随伴天然ガスのフレア燃焼を2021年までに止めることを目標としている。フレア燃焼について世界銀行はこれまで、世界各地で天然ガスのフレア排出量が増加していると警告していた。

ところで、石油資源開発(JAPEX)は4月3日、同社の子会社(Jガラフ)がマレーシア国営のペトロナスなどと、イラン南部のガラフ油田を追加開発することに合意したと発表した。イラク政府は2018年2月、現在日量9万バレルの原油生産量を20年末までに同23万バレルに引き上げる計画を承認済みだ。