ギリシャで石油・天然ガス資源を管理・運営する機関(HHRM)は3月5日、イオニア海とクレタ島沖合に位置する3鉱区の開発にかかわる入札結果を発表した。仏トタル、米エクソンモービル、ギリシャ国営ヘレニック・ペトロリアムの複合企業体(コンソーシアム)がクレタ島沖合の2鉱区、スペインのレプソル、ヘレニック・ペトロリアムのコンソーシアムがイオニア海の1鉱区をそれぞれ落札した。
トタルは3月2日、米マラソン・ペトロリアムからリビアのワハ油田(鉱区面積は5万3,000平方キロメートル)の権益16.33%を4億5,000万ドルで取得したと発表した。ワハ鉱区の原油埋蔵量は5億バレルとされ、生産能力は日量5万バレル(原油換算)という。
カタールのアール・サーニ首長は3月8日、東欧のブルガリアを訪問し、同国でのインフラ構築に向けた協力関係で合意した。同日付の『ロイター通信』が報じた。今後、カタールで産出された液化天然ガス(LNG)や圧縮天然ガス(CNG)をブルガリアなど欧州の南東部に供給する方向で検討に入るもようだ。
このほか、イタリア炭化水素公社(ENI)は3月11日、エジプト沖合で展開するショルーク鉱区の権益10%を、アブダビのムバダラ・ペトロリアムに9億3,400万ドルで売却すると発表した。当該鉱区には、ゾア天然ガス田も含まれるという。なお、現在の権益比率はENIの子会社(IEEEOC)が60%、ロシア国営ロスネフチが30%、英BPが10%となっている。
ところで、ポーランド、ラトビア、リトアニア、ウクライナ、モルドバの5カ国の国会議長は3月半ば、ロシアが主導する天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設に関連し、欧州連合(EU)議会に向けた公開書簡に署名した。その中、ロシアとドイツをつなぐ「ノルド・ストリーム2」が、エネルギー安全保障の点で、EUのロシア依存を高めると警告するとともに、建設工事はEUの規則に沿って運用されるべきであると主張したという。3月12日付のサイト『ネフチガス』などが伝えた。