米国海洋エネルギー管理局(BOEM)は7月はじめ、メキシコ湾における水深200メートル未満の石油・天然ガス開発にかかわるロイヤリティを現行の18.75%から12.5%に引き下げると発表した。水深200メートル以上のロイヤリティは18.75%に据え置くとした。8月に予定される「リース・セール249」開発事業は、2017~2022年の米連邦大陸棚開発で最初の入札となる。
BOEMはまた、イタリア炭化水素公社(ENI)米国による米アラスカ州沖合の北極圏にあるボーフォート海での掘削計画を承認した。トランプ米政権の「アメリカ・ファースト・オフショア・エナジー・ストラテジィ」に基づく。ENIは今年12月から掘削活動を開始する見通しだ。BOEMが7月12日に発表した。
他方、米エネルギー情報局(EIA)は7月12日、石油精製能力に関する年次レポートを公表した。それによると、米国の操業可能な原油常圧蒸留装置の総処理能力は、前年比1.6%増の日量1,860万バレル(2017年1月1日現在)だった。重質原油や低硫黄ディーゼルの増産で二次装置の処理能力も増加したという。
また、EIAは7月21日、2017年1~6月の米国における燃料用エタノール生産量が、前年同期比5%増の日量102万バレルだったと発表した。EIAは、エタノールの主要原料であるトウモロコシの収穫量が増えたことがエタノール増産につながったと分析した。
さらに、EIAは、最新のエネルギー短観(STEO)で、2017年の米原油生産量が前年比日量50万バレル増の同930万バレルになるとの見通しを示した。2018年は日量990万バレルの予測で、1970年に過去最高を記録した同950万バレルを超えると予想する。その理由として、パーミアン盆地やメキシコ湾での増産を挙げた。
このほか、米国労働安全衛生局(OSHA)は7月半ば、昨年11月22日にルイジアナ州のバトンルージュ製油所で起きた爆発事故に関連し、米エクソンモービルに16万5,000ドルの罰金支払いを命じたという。『ロイター通信』(7月14日付)によると、OSHAは、エクソンモービルの安全対策が不十分だったとの見方を示した。