世界銀行は5月31日、セネガルにおける石油・天然ガス開発を支援するため、同国政府に2,900万ドルを融資すると発表した。セネガルでは現在、大西洋沿岸の油田・天然ガス田を中心に外資系企業が参入するものの、契約にかかわる過程で不透明な部分が多いとされ、エネルギー開発の妨げになっているとの指摘がある。世銀は、今回の融資で「契約上の透明性が高まる」としている。(国旗はセネガル)
また、豪州のFARリミテッドは5月26日、ビジネスパートナーである英ケアン・エナジーが、セネガル沖合の深海鉱区(FAN サウス-1井)での試掘を開始したと発表した。ケアン・エナジーは3年ほど前にセネガル沖合の深海で原油の埋蔵を確認している。FAN サウス-1井の可採埋蔵量は1億3,400万バレルと見込まれる。
他方、ナイジェリアでは、エネルギー関連法案が国会で審議されている。5月26日付のサイト『ヴァンガード』などによると、ナイジェリア国会で石油産業法案(PIB)の関連法案が上院を通過。この法案の成立で、同国政府はエネルギー産業の透明性を高め、成長を促進することに寄与するとしている。ナイジェリアでは近年、パイプラインから原油を抜き取るなどの窃盗行為が社会問題となっているほか、企業などで汚職が頻発しているため、政府は法改正を急ぐようだ。
サイト『サン・ニュース』などは、ナイジェリア上院が5月30日、同国の石油資源省とナイジェリア国営石油会社(NNPC)に対し、エジップやオアンドなどが進めるポート・ハーコート製油所の権益売却にかかわる交渉を停止することを求めたと報じた。これと並行して、上院は取引のプロセスや、エジップなどを売却先として選択した判断基準などを調べる目的で、新たに調査委員会を立ち上げたとしている。
このほか、仏テクニップFMCは6月5日、アルジェリア国営石油会社のソナトラックとテクニップとの間で係争中であった製油所の工事契約にかかわる問題が解決したと発表した。両社は今後、仲裁申請を取り下げるとしている。