アフリカ特集の6回目。今回は、エネルギー開発でエジプトの石油化学会社に対する融資案件を取り上げるほか、モーリタニア沖合の深海探査で仏トタルとモーリタニア国営石油会社(SMHPM)が契約を締結したとの情報などを紹介する。(国旗はエジプト)

欧州復興開発銀行(EBRD)は5月半ば、エジプトの石油化学会社であるカーボン・ホールディングス・カンパニーに1,100億ドルの融資を決定したと発表した。融資の使途は、カーボン社の子会社であるエジプト・ハイドロカーボン(EHC)が石油製品のISO(国際標準化機構)対応に充てるとしている。

一方、エジプト中央銀行のターレク・アーメル総裁は5月16日、同政府が国内で操業する海外石油会社に対して滞っている支払いのうち7億5,000万ドルを各社に返済したことを明らかにした。同日付の『ロイター通信』によると、エジプト政府には現在、海外石油会社に対し35億ドルの負債があり、エジプト政府は2019年6月末までの完済を目指しているという。

融資がらみの案件ではこのほか、イスラム開発銀行(IDB)が5月14日、中東及びアフリカ諸国に計4,533億ドルを融資することを決めたと発表した。トルコが推進する再生可能エネルギー計画に2億ドルを融資するほか、ウガンダ、スリナム、ケニア、ロワンダなど、アフリカ諸国への融資も決定済みとしている。

ところで、トタルは5月12日、モーリタニア沖合鉱区(ブロックC7)の探査に関連し、SMHPMと契約を締結したと発表した。ブロックC7の面積は7,300平方キロメートル、権益の構成比率はトタルが90%、SMHPMが10%である。トタルは現在、西アフリカの大西洋沖合で探査活動を実施している。モーリタニアと隣接するセネガル沖合鉱区「リュフィスク・オフショア・プロフォンド」でも、権益90%を獲得済みだ。