今回は「バイオ・水素」特集の2回目。米大学でのバイオ燃料の開発にかかわる研究成果のほか、フィンランドのネステや仏グローバル・バイオエナジーズ(GB)など、欧州企業によるビジネス展開の最新動向を取り上げる。(イラストはイメージ)
米オクラホマ州立大学の研究チームは4月中旬、メタンとバイオマスから液体燃料を製造するガス&バイオマス・トゥ・リキッド(GBTL)プロセスを開発したと発表した。現在、GBTLプロセスの事業化調査(FS)が進められているという。
また、米ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームが4月初旬、バイオマスからエタノールを製造する際、その副生物から1,5-ペンタンジオール(1,5-PD)をつくり出すことで、セルロース系エタノールの製造コストを1ガロンあたり2ドル引き下げることにつながったと発表した。1,5-PDは、ポリウレタンやポリエステルなどの原料となる。
企業による研究開発の案件として、フィンランドのネステが4月20日、エストニア共和国の給油所4カ所で、同社が開発したディーゼルの販売を開始したと発表した。この燃料は「ネステプロ・ディーゼル」と呼ばれ、ネステは今後、全20カ所で販売活動を広げる予定だ。「ネステプロ・ディーゼル」は、通常のディーゼルと比べて、温室効果ガス(GHG)排出量が20%低く、窒素酸化物(NOx)、微粒子、炭化水素などの排出量が少ないのが特徴である。
このほか、仏グローバル・バイオエナジーズ(GB)は4月末、同社がドイツのレウナに保有する実証プラントで、再生可能イソブテンの製造に成功したと発表した。実証プラントは昨年末に稼働したばかりで、わずか5カ月以内に達成したとしている。フランスのポマクルにある試験プラントでの生産性を上回っている。GBは今後、生産性の向上を目指す。