今回は、米エネルギー情報局(EIA)が4月に公表した短期エネルギー見通しや、米メキシコ湾での原油生産量などの調査結果を取り上げる。(ロゴマークは米エネルギー省)
EIAは4月18日、4月の短期エネルギー見通し(STEO)を発表し、米国内での2017年6~8月の天然ガス発電量が、発電エネルギー源に占めるシェアで最大になるとの予測を示した。
EIAによると、天然ガスのシェア(占有率)が34%、石炭は32%になる見通しとしている。ただ、今夏の天然ガス発電量そのものは、昨夏に比べ2.4%減の11億6,000万メガワット時(MWh)と見積っている。
一方、EIAはSTEOで、2017年4~9月の米国内におけるガソリン(レギュラー)小売価格が1ガロンあたり2.46ドルで、前年同期比で同23セント上昇すると予測。2017年の通年ベースでは同2.39ドルと見積もる。また、17年の一世帯あたりのガソリン支出額(平均)は前年と比べ200ドル増加するとみている。
EIAはまた、2016年における米メキシコ湾での原油生産量が日量160万バレルで、過去最高を記録した2009年と比較し、日量ベースで4万4,000バレル増加したと発表した。
それによると、2017年1月は日量170万バレルの水準だったという。米メキシコ湾での原油生産量は今後も増えるとみられ、EIAは2018年の生産量を日量190万バレルと予想している。
このほか、EIAは4月17日、米国の石炭火力発電プラントが2016年に発電能力全体の25%、発電量が30%を占めたとの調査結果を公表した。石炭を燃料とする米国の火力発電プラントの大半(88%)は、1950~1990年の間に建設された。能力換算すると、平均稼働年数は39年となる。主要燃料の半分は瀝青炭とされ、残りの半分が亜瀝青炭という。
ちなみに、瀝青炭は硫黄含有率の幅が広いとされ、主に米東部と中西部で生産される。一方、亜瀝青炭は米西部で生産される。亜瀝青炭は瀝青炭と比べ硫黄含有率が低いとされる。