南米大陸では、ブラジル国営のペトロブラスが同国沖合の深海鉱区で操業するプレソルト層の開発プロジェクトに米エクソンモービルが大きな関心を示すほか、アルゼンチンでは国営YPFと欧州3社が、シェール埋蔵層の開発事業に合わせて5億ドルを投資する計画であることが明らかとなった。(国旗はブラジル)

ペトロブラスのペドロ・パレンテ最高経営責任者(CEO)は4月4日、ペトロブラスがブラジル沖合で展開する深海鉱区のプレソルト層における開発事業に対し、エクソンモービルが強い関心を示しているとの見方を示した。ブラジル沖合の石油・天然ガス開発事業にはこれまで、多くの石油メジャーが参加しているが、エクソンモービルは参加していなかった。ペトロブラスは今後、エクソンモービルがプレソルト層の開発プロジェクトに参加するようになれば、石油・天然ガスの増産につながると期待している。

メキシコの大手石油化学グループであるアルペックは、ペトロブラスの石化子会社であるPetroquimicaSuapeとCitepeの買収計画が社内で承認を得られたと発表した。買収対象の2社は、ブラジルのペルナンブーコ州イポジュカで高純度テレフタル酸(PTA)を年間64万トン生産しているという。買収案件については今後、ブラジルの経済防衛行政評議会(CADE)など当局からの承認を得る必要がある。

他方、ブラジル国家石油庁(ANP)は3月31日、同国沖合のサントス海盆に位置するプレソルト層にあるルラ油田で原油生産活動を行うペトロブラスなどに追徴金26億ブラジルリラ(約8億3,300万ドル)を課したと発表した。追徴金を課した理由について、ブラジル政府がはじき出す課税計算と、ペトロブラスの価格設定に相違があったためとしている。ペトロブラスは今回の決定に異を唱え、法的に対応すると示唆した。

このほか、アルゼンチン国営のYPFや英BPの子会社 (パン・アメリカン・エナジー)、BASFの完全子会社(独ヴィンターシャル)、仏トタルの子会社の4社が、アルゼンチンのヴァカ・ムエルタ州に存在するとされるシェール埋蔵層に計5億ドルを投資する開発計画を規制当局に申請した。各社ごとの投資額は公表していない。YPFは、保有する権益の一部を売却することで投資資金を調達する予定であるとした。