カナダからは引き続き、エネルギー企業による資産売却の情報が伝わっている。また、買収作業を終えたカナダの石油・天然ガス輸送会社のエンブリッジが1,000人規模の人員整理を計画していることが明らかとなった。

カナダのセノバス・エナジー(本社:カルガリー)は3月29日、米コノコフィリップスがカナダに保有する資産の大半を132億ドルで取得すると発表した。対象となるのは、両社の合弁企業(JV)であるFCCLパートナーシップの株式50%のほか、アルバータ州ディープ盆地の資産、ブリティッシュ・コロンビア州の資産などという。

カナダのシボーン・コーディ天然資源相はこのほど、ノース・アトランティック・リファイニングがニューファンドランド・ラブラドール州のカム・バイ・チャンス製油所(精製能力は日量11万5,000バレル)の売却を計画していないとの見方を表明したという。3月29日付の『CBCニュース』などによると、報道機関の一部が売却情報を報じたことに対する見解だ。コーディ大臣は、売却を検討した事実はあるものの、ノース・アトランティックが売却しない方針を同氏に伝えてきたことを明らかにした。

他方、一部メディアによると、カナダのハスキー・エナジーが同国のニューファンドランド沖合にある複数の油田権益の売却を検討しているという。対象となる権益は、ホワイト・ローズ、フレミッシュ・パス、テラ・ノバ油田。ハスキーは現在、数年来の原油安を受けた経営の立て直しに取り組む最中で、南米やアフリカなどでも保有する資産の売却を進めていくとみられている。

このほか、カナダの石油開発会社のペングロース・エナジーは、ブリティッシュ・コロンビア州ノース・イーストのベルナデッド・モントニーにある未開発の資産を9,200万ドルで売却することに合意したと発表した。ただ、売却先は明らかにしていない。

ところで、エンブリッジは3月下旬、スペクトラ・エナジーの買収完了にともない、全従業員の約6%に相当する約1,000人の人員整理を計画していることを明らかにした。両社の重複業務を見直すという。人員整理は、今後数カ月で終える予定だ。