ロシアでは最近、大手石油会社のルクオイルが国内で約700カ所の給油所を売却するとの情報が伝わるほか、ロシア企業が原油や天然ガスを近隣諸国から調達する動きがある。
ロシアのルクオイルが、国内で約700カ所の給油所を売却するとの情報が出ている。この数字は、同社が所有する全給油所の30%弱に相当する。ルクオイルは現在、ロシア国内に2,544カ所の給油所を保有しており、国内販売シェアは21%になるという。2017年第1四半期におけるルクオイルの給油所での販売利益は、ほぼゼロという状況にあったそうだ。3月28日付のサイト『コンストラクション』などが伝えた。
国営ガスプロムは、バルティック液化天然ガス(LNG)輸出プラントの運転開始を2022年から23年に延期する見通しだ。当初の開始予定は2021年だった。ユーロ債の問題を延期理由に挙げたものの、詳細は分からない。バルティックLNGプロジェクトは、フィンランド湾ウスト・ルガ港に建設する予定で、LNG輸出能力は年間1,000万トン。
一方、ガスプロムによる2016年のギリシャ向け天然ガス輸出量が前年比35%増の26億8,000万立方メートルだったことが分かった。天然ガス輸出量の増加傾向は続き、今年1~2月の輸出量は前年同期比で20.6%増となっている。
また、ガスプロムは3月30日、中央アジアのウズベキスタンからロシア向け天然ガス輸出に合意したと発表。契約期間は5年間。そのほかの詳細は明らかにされていない。ちなみに、ガスプロムは昨年、ウズベキスタンから天然ガス62億立方メートルを輸入したという。
ガスプロム・ネフチは3月17日、西シベリアにあるオムスク製油所(精製能力は日量42万8,000バレル)に水素製造装置(製造能力は年間1万2,300トン)を新たに設営すると発表した。投資額は6,000万ドルとみられる。
このほか、国営ロスネフチは、イラク・クルド地域で産出される原油を近く初輸入する。3月31日付の『ロイター通信』などによると、原油は、トルコのセイハン港からイタリアまでタンカーで輸送され、パイプラインを経由してドイツにあるロスネフチの製油所に送られるという。