![](https://soken.rim-intelligence.info/wp-content/uploads/2017/03/bangura-e1489624003635.png)
バングラデシュでは、再生可能エネルギーを利用した国内初の穀物保冷倉庫の運用を開始したほか、米石油大手のシェブロンがバングラデシュで保有する天然ガス田3鉱区の売却計画について情報が飛び交い、中国企業が買収で暫定合意したとの情報も伝わる。
バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は2月26日、国内初となる太陽光発電を利用する穀物保冷倉庫(貯蔵能力は2万5,000トン)の運用を同国北部で開始したと発表した。『デイリー・オブザーバー』などによると、多層階からなる倉庫は、温度と湿度の調整が可能という。バングラデシュは、洪水や干ばつなど自然災害に見舞われることが多く、食糧の確保は喫緊の課題となっていたが、倉庫の運用開始で貯蔵能力が高まると期待されている。ちなみに、この倉庫は日本の財政・技術支援で設営された。
ところで、バングラデシュの電力・エネルギー・鉱物資源相は1月末、シェブロンが売却する予定の天然ガス鉱区入札を実施するとの姿勢を示した。入札対象は、ビビヤナ、ジャララバード、マウルビバザールの3鉱区。数年来の原油価格の下落を受け、シェブロンは2016年、この3鉱区を計20億ドルで売却する計画を発表していた。
今回の3鉱区入札について『ロイター通信』は2月22日、中国兵器工業集団の傘下にある振華石油がシェブロンから天然ガス油田の3鉱区を買収することで暫定合意したと伝えた。売却額は予定どおり20億ドルとされ、振華石油は今年6月までに正式合意に漕ぎ着けたいとしている。ただ、バングラデシュ政府が認めない可能性があるとの観測が浮上しているという。
このほか、仏テクニップは1月末、バングラデシュ国営石油会社(BPC)が運営するイースタン製油所の近代化プロジャクトの設計役務を受注したと発表した。BPCは、イースタン製油所の精製能力を現行の150万トン/年(日量3万バレル)から450万トン/年(同9万バレル)に引き上げる計画だ。設計役務の期間は6カ月の予定。その後、BPCとテクニップは、建設に向けた交渉に入る予定だ。