インドネシアでは、国営プルタミナが運営する既存製油所の老朽化が進んでいるため、今後10年かけて近代化プロジェクトを推進する。これによって、原油処理能力を日量計168万バレルまで引き上げる計画だ。石油製品では、2025年までにガソリン生産量を日量19万バレルから同63万バレルへ、軽油を同32万バレルから同77万バレルへ、ジェット燃料を同5万バレルから同12万バレルへ増強するとしている。
プルタミナは1月30日、ジャワ島の北部海岸にあるバロンガン製油所の近代化プロジェクトを単独で実施する方針を明らかにした。同製油所の精製能力を現行の日量12万5,000バレルから同24万バレルに引き上げる計画で、2020年に完工予定という。サイト『オイル&ガスイヤー』(2017年1月30日付)などによると、プルタミナは当初、サウジアラビア国営のサウジアラムコと共同実施することで合意していたが、交渉期限の2016年11月に結論を得ることができず、結果的にプルタミナ単独で着工することになったようだ。
プルタミナはまた、バリクパパン製油所(精製能力は日量26万バレル)、トゥバン製油所(コンデンセート・スプリッター施設)、チラチャップ製油所(日量34万8,000バレル)における近代化プロジェクトの着工を検討している。第1四半期にバリクパパン、第3四半期にトゥバン、第4四半期にチラチャップの着工を予定している。バリクパパン製油所では現在、用地の確保、桟橋の建設が進められているという。基本設計(FEED)を今年7月末までに完了し、建設工事を2017~19年に実施する見通しだ。
バリクパパン製油所の近代化プロジェクトで、プルタミナはハイオクタンガソリン製造にハネウェルUOPのプロセスを採用した。ハネウェルが2月1日に発表した。ハイオクタンガソリン基材製造目的の連続解媒再生方式(CCR)には接触改質法(プラットフォーミング)、灯油やジェット燃料向け水素化脱硫装置にはユニオンファイニング・プロセスを導入するとしている。