米エネルギー省(DOE)はこのほど、米国の戦略石油備蓄(SPR)の1回目の落札結果を発表した。売却益をSPRのインフラ整備に充当するとしている。また、米エネルギー情報局(EIA)は、原油安を受け、2016年の米連邦国有地からのエネルギー関連の歳入が大きく減少したことを明らかにした。(ロゴマークはDOE)
DOEの化石エネルギー部は1月26日、米国SPRの1回目の落札結果を公表した。DOEは、2017~2025年にSPRから約1億9,000万バレルの放出を計画している。2017年1月13日時点のSPR原油の備蓄量は6億9,500万バレルで、設計能力7億1,350万バレルの97%に達している。ところで、DOEはSPRの入札・落札企業名を公表していないが、米独立系のフィリップス66はこのほど、SPRを落札したと発表した。現時点で、落札企業はフィリップス66しか明らかとなっていない。
米エネルギー情報局(EIA)は1月24日のレポートで、原油価格の下落を受け、米連邦国有地からのエネルギー関連の歳入が減少したことを明らかにした。EIAによると、国有地でのエネルギー生産活動に関連して得られるロイヤリティや地代などの2016年の会計年度の歳入が60億ドルに留まり、2004年以降で最低となった。原油価格が高い水準にあった2010~2013年の会計年度には、最高で140億ドル(2013年)に達していた。
EIAはまた、2016年第4四半期に原油在庫が日量ベースで200万バレル増加したと発表した。その上で、2018年にかけて世界の原油需給バランスは逼迫するとの予想を示した。短期予測(STEO)では、2016年の原油在庫の増加量は日量90万バレルで、17年は同30万バレル、18年後半には同10万バレルの減少になると見積もっている。
一方、EIAは1月31日、最新の短期予測を発表し、米原油生産量は2016年の日量890万バレルから18年には同930万バレルに増加すると予測した。タイトオイルを生産するテキサス州、ノースダコタ州、オクラホマ州、ニューメキシコ州が増産に寄与するとしている。