米エクソンモービルが、シェール資産の新たな買収に乗り出したほか、ベトナムの天然ガス火力発電プロジェクトの参画を決めた。また、南米ガイアナ沖合の保有鉱区で2カ所目となる原油埋蔵層を発見したことを明らかにした。
エクソンモービルは17日、米テキサス州フォートワースの大富豪であるバース・ファミリー傘下の企業からパーミアン盆地のシェール資産(25万エーカー)を66億ドルで買収すると発表した。原油と天然ガスの埋蔵量は原油換算で34億バレル。埋蔵量の4分の1が天然ガスとされる。この買収によって、エクソンが保有するパーミアン盆地でのシェールオイル・ガス埋蔵量は60億バレル(原油換算)になるとしている。
エクソンモービルはまた、ベトナム国営ペトロベトナムとともにベトナムで最大の天然ガス火力発電プロジェクトに参画することに合意した。現時点でベトナム最大級の埋蔵量(1,500億立方メートル)とされる南シナ海の「ブルー・ホエール」天然ガス田で産出される天然ガスの商業生産を2023年には漕ぎ付ける予定だ。発電能力は3,000メガワット(MW)で、発電所はベトナム中部に建設する。このプロジェクトは、ベトナムの国家予算に200億ドル相当の効果を生むとされる。
このほか、エクソンモービルは12日、南米ガイアナ沖合のスターブルーク鉱区(2万7,000平方キロメートル)パヤラ-1井で原油埋蔵を発見したと発表した。2015年に発見されたリザ-1埋蔵層の北西約16キロメートル、水深約2,030メートルに位置しており、層厚は29メートルという。パヤラ-1井は、エクソンモービルにとり同鉱区内で2カ所目の埋蔵発見となる。スターブルーク鉱区の権益比率は、オペレーターを務めるエッソ・エクスプロレーション&プロダクション・ガイアナ(EEPGL)が 45%、ヘス・ガイアナ・エクスプロレーションが 30%などとなっている。
他方、エクソンモービルはこのほど、新たな天然ガス脱水テクノロジー「“in-line”cMIST」(商標名)を開発したと発表した。パイプの内部で水分を吸着する仕組みで、脱水塔に代替する技術という。「“in-line”cMIST」は、脱水設備の小型化・軽量化・コスト削減が可能であるとされる。