今回は、最近の韓国エネルギー情報を取り上げる。石油・天然ガス分野で、投資活動に力を入れる企業を取り上げた。
SKホールディングスの子会社であるSKイノベーションは、化学品や石油開発などの分野に約25億ドルを投資する。『聯合ニュース』などの報道によると、SKイノベーションは昨年、中国企業との合弁会社(JV)の立ち上げや、中国に電気自動車向けバッテリー製造施設を建設することなどを発表済みで、こうした計画を進めるようだ。
他方、韓国のSオイルはこのほど、サウジアラビア国営サウジアラムコの100%子会社であるサウジアラムコ・プロダクツ・トレーディングとの間で、10億ドル相当(2017年分)の石油製品を売買する契約を締結した。ディーゼル2,800万バレル、ライトナフサ800万バレル、ジェット燃料200万バレルを購入する見通しだ。アラムコは、Sオイルの発行済み株式63.4%を保有する。1月5日付のサイト『ダウンストリーム』などが報じた。
また、イラン国営石油会社(NIOC)が、イスファハーン製油所の近代化プロジェクトで韓国の大林産業(デリム・インダストリアル)と合意した。『イラン国営通信』(IRNA)によると、大林が昨年末、NIOCの精製子会社であるイスファハーン・リファイニングから落札通知書(レター・オブ・アワード)を受け取ったという。落札額は20億ドル相当だ。このプロジェクトは、ガソリンやディーゼルの増産、精製効率の改善などが目的で、大林は今後、設計・調達・建設役務のほか、資金調達も担うとしている。
さらに、デンマークのマースク・ドリリングは1月6日、韓国の造船大手である大宇造船海洋(DSME)に製造を発注していた掘削装置(リグ)「マースク・インビンシィブル」が納入されたと発表した。このリグは、2017年第2四半期から5年間、北海のヴァルハラ鉱区でマースクがアーカーBPとの共同作業時に使う。過酷な自然環境下でも使用可能で、マースクにとり4基目のリグとなる。
このほか、韓国のロッテ・ケミカルは昨年末、2018年までに全羅南道の麗水(ヨス)市で操業するエチレンプラントの増強工事に2億1,600万ドルを設備投資すると発表した。製造能力を年間20万トン増強し、120万トンにするという。プロピレンの製造能力も年間10万トン増やし、62万トンまでに引き上げる予定だ。