米国環境保護庁(EPA)がこのほど、2017年の再生可能燃料総量の最低基準を最終決定したほか、廃食油からバイオ燃料を製造する事業で仏トタルが仏スエズと提携すると発表するなど、バイオ燃料に関連する基準値づくりや開発計画が進んでいる。(写真はEPAのロゴマーク)

EPAは11月下旬、再生可能燃料基準(RFS)で、2017年の再生可能燃料総量の最低基準値を公表した。それによると、総量は192億8,000万ガロン。このうち、セルロース系が3億1,100万ガロン、バイオマス系ディーゼルが20億ガロン、先進バイオ燃料が42億8,000万ガロンなどとなっている。また、EPAは、2018年のバイオマス系ディーゼルの基準値を21億ガロンに設定した。

圧縮天然ガス(CNG)大手の英CNGフューエルズはこのほど、英国で重量級輸送車両向けに再生可能バイオメタン燃料の供給を開始した。12月1日付のサイト『IMechE』などによると、バイオメタン燃料は、ディーゼルに比べ4割程度コスト安で、二酸化炭素(CO2)排出量は70%低いという。バイオメタンは、食物生産から出る残渣物から製造し、天然ガスパイプラインに注入されるとしている。

他方、仏トタルは12月7日、仏スエズとともに廃食油からバイオ燃料を製造する事業で提携すると発表した。スエズは廃食油を年間ベースで2万トンを回収し、トタルに供給する。トタルは仏南部のマルセイユ近郊に保有するラメード製油所(精製能力は日量15万バレル)に設置したラメード・バイオリファイナリーで処理し、バイオディーゼルを製造する計画という。

ところで、米シェブロンの子会社であるシェブロン・ラマス・グローバル(CLG)は12月7日、米国海軍がメリーランド州パタクセント・リバー基地で実施した試験飛行にバイオ燃料アイソコンバージョン・プロセス技術を用いて製造した燃料が使用されたと発表した。アイソコンバージョン・プロセスとは、CLGと米エンジニアリング会社のアプライド・リサーチ・アソシエーツ(ARA)が共同開発した独自のバイオ燃料製造技術を指す。試験飛行は軍規格の認証を得るために行われたフライトの一部で、米海軍はすでに9回の試験飛行を完了しているという。