米エネルギー情報局(EIA)はこのほど、英国の国別レポートを更新し、公表した。それによると、2015年末時点の原油確認埋蔵量が28億バレルで、引き続き、欧州連合(EU)のなかで最大となったものの、14年末に比べ約8%減少したことが判明した。
EIAによると、国内総生産(GDP)で世界第5位の規模である英国は、EU最大の原油生産国で、天然ガスはEUでオランダに次ぐ第2位の地位を占める。ただ、原油は2004年、天然ガスは2005年、石油製品は2013年にそれぞれ純輸入国に転じている。成熟した油・ガス田が増加したことで、英国における化石燃料の生産が減少傾向にあるとした。ノルウェーとの協力関係を進め、同国からの輸入を強化したことや、再生可能エネルギー分野への移行が進んでいることも、油・ガス田での生産減少につながった。
コンデンセートを含む原油類の生産量(2014年)は日量90万バレルで、その殆どが海洋油田で生産された。石油類(同年)の消費量は日量150万バレルだった。エネルギー消費量に占める割合で、石油類が36%、天然ガスが33%で、全体の7割近くを占めた。石炭は16%だった。
また、製油所の総精製能力は、昨年末時点で日量140万バレル。14年にウェールズ南西部のミルフォード・ヘブン製油所(精製能力は日量13万5,000バレル)が閉鎖された。
一方、天然ガスの確認埋蔵量は7兆3,000億立方フィート(2016年1月現在)。2014年の生産量は1兆4,000億立方フィート、消費量は2兆5,000億立方フィートだった。同年の天然ガス輸入量は1兆5,000億立方フィートに対し、輸出量は4,000億立方フィートだった。