英BPは今夏、シェールガス開発分野で中国国営企業と生産分与契約(PSC)を締結した。また、非在来型のエネルギー資源開発などで関係強化も打ち出した。そのほか、BPはアゼルバイジャンで展開する事業が進展していると発表した。
BPは9月1日、シェールガスの探査・開発・生産活動に関連し、中国で2件目となるPSCを中国石油天然ガス集団(CNPC)と締結したと発表した。9月1日付のサイト『オイル&ガスジャーナル』などによると、PSC対象地区は四川盆地にあり、面積は約1,000平方キロメートルに及ぶ。
両社は今年3月、隣接する四川盆地の内江-大足鉱区で1件目のPSCを締結している。非在来型のエネルギー資源開発や液化天然ガス(LNG)取引などで合意していた。オペレーターは2案件ともCNPCが務める。BPの予測によると、2035年までには世界の天然ガス生産量の4分の1はシェールガスが占め、シェールガス増産の最大国が中国になるとしている。
また、BPは9月2日、アゼルバイジャンのシャー・デニズ・ステージ2プロジェクト向けブラットフォーム用ジャケット(海底に打ち込まれたパイルで支えられる管状のスチール製部材からなる垂直構造物)をアゼルバイジャンからカスピ海のシャー・デニズ天然ガス田向けに出荷したと発表した。輸送を含め据付工事など完成まで40日程度かかるとしている。ジャケットの重量は1万3,150トン、高さ105メートルで、生産用ライザー(海底から海面上の設備まで物質を引き上げるパイプ)12基、出荷用ライザー3基などを備える。
このほか、BPは今夏、米インディアナ州ホワイティング製油所(精製能力は日量41万3,500バレル)の水素化脱硫装置の新設を決めた。8月31日付の『ロイター通信』によると、硫黄濃度10ppm以下のガソリン基準(Tier3)に対応するもので、建設費用が数億ドルになる見込みという。
9月13日には、製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を削減した高純度テレフタル酸(PTA)ブランドである「PTAir ニュートラル」を発表した。BP独自の製造技術(PX・PTA)を使用することで、PTA製造時のCO2排出量は、欧州平均に比べて3割程度、低下するという。