英国では近年、自動車購入者の購買志向がディーゼル車からガソリン車にシフトしつつあることが調査結果から判明した。購入者はコストよりも環境に与える影響をより重視しているようだ。また、ロンドン市(シティ・オブ・ロンドン)は最近、ディーゼル自動車の調達を止めたという。有害物質の排出量を削減するための措置としている。

英ホワットカーが発表した調査結果によると、英国で消費者が自動車を購入する際、これまでのディーゼル車からガソリン車にシフトしつつあるという。ガソリン車の購入希望者が10人中7人になったとしている。一般的に、自動車を購入する場合、消費者が重視するポイントはエンジン性能と燃費であるとされる。今回、消費者のガソリン車志向は、コストよりも環境重視の姿勢の表れという。また、多くの購入者が、アイドリングストップ車(燃費と環境を考慮した機能付の自動車)を評価していることが明らかになった。

ディーゼル車に関連して、ロンドン市は8月1日、ディーゼル車の調達を止めたと発表した。有害物質の排出量を削減するのが目的とした。今後、ロンドン市は旧式車両300台を切り替える際、ディーゼル車を新規購入することはもちろん、リース契約もしない方針だ。ロンドン市上空の大気に有害物質が含まれ、公衆衛生に悪影響を与えている元凶が「ディーゼル車」とされているようだ。

こうした状況下、英政府の低排出ガス車部(OLEV)は8月下旬、革新的な自動車や関連技術にかかわるコンペティションに2,400万ポンドを助成すると発表した。低排出車両や車載設備にかかわる開発が助成対象としている。応募の締め切りは2016年10月12日。

このほか、欧州における自動車産業分野で、新車登録台数の最新数字が明らかとなった。欧州5大自動車市場(英国・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン)の新車登録台数は1年3カ月連続で増加した後、7月は前年比2%減の約83万6,000台となった。このうち、英国はプラス0.1%だった。8月19日付のサイト『JATO』が報じた。