ノルウェー特集の2回目は、海外における活動状況を取り上げる。国営石油会社のスタットオイルが英領北海やブラジル沖合鉱区で権益取得に乗り出すほか、豪州ではDOF Subseaが浮体式の液化天然ガス(LNG)の海中サービス作業を受注するなど、積極的な姿勢が目立っている。
スタットオイルは8月23日、英ジャージー・オイル&ガス(JOG)と、英CIECO E&P UKの2社が英領北海で保有する鉱区の権益70%を200万ドルで取得すると発表した。この北海鉱区は、スコットランド沖合のアウター・マレー湾のブッチャン地溝に位置するという。権益取得後の配分は、スタットオイルが70%、JOGが18%、CIECOが12%になる。
スタットオイルはこのほか、ブラジルで海洋権益を取得する。7月30日付のサイト『ガルフ・タイムズ』などによると、ブラジル国営ペトロブラスがサントス海盆に保有する鉱区の権益66%を25億ドルで買収することに合意した。可採埋蔵量は7~13億バレル(原油換算)とされる。この鉱区は、近年最大級とされるカルカラ埋蔵層に含まれるとされ、スタットオイルはブラジル政府からの承認などを受けた後、買収を完了させる方針という。
他方、本サイト「エネルギーフロントライン」(2016年8月23日付)で取り上げたように、ノルウェーのDOF Subsea(本社:ベルゲン)は今夏、豪州のプレリュードLNGプロジェクトで、浮体式LNG(FLNG)の海中サービス作業などをシェル・オーストラリアから受注した。FLNGの設置場所は、西オーストラリア州沖合のブラウズ海盆で、契約期間は5年間。FLNGは25年間、プレリュードガス田に係留される見通しだ。年間生産量はLNGで360万トン、コンデンセートで130万トン、液化石油ガス(LPG)で40万トンの予定。
ところで、スタットオイルはこのほど、米ウエストバージニア州マーセラスのシェール鉱区に保有する非操業区域の一部権益を9,600万ドルで、米独立系の石油・天然ガス会社のアンテロ・リソーシズに売却する。スタットオイルはこれまでにも同鉱区に複数保有する権益の一部を米サウスウエスタン・エナジーなどに売却するなど、資産処分を段階的に進めてきた。