インドネシアの東カリマンタン州沖合で、外資系企業中心の天然ガスの開発プロジェクトが生産活動を開始することや、国営プルタミナがイランに進出し、同国で共同探査を実施することで基本合意した。

インドネシアの東カリマンタン州沖合にあるクタイ海盆のバンカ、ジャンクリークの天然ガス・プロジェクトで生産を開始する。7月29日付の『ロイター通信』などによると、米シェブロンが権益62%を保有するバンカ・プロジェクトでは今年8月中にも操業を開始するとした。天然ガス1億1,500立方フィート、コンデンセート4,000バレル(日量ベース)を生産する見通し。他方、イタリア炭化水素公社(ENI)が権益55%を保有するジャンクリーク・プロジェクトでは、2017年7月に操業開始を予定する。天然ガス4億5,000万立方フィート、コンデンセート4,400バレル(日量ベース)の生産を見込む。

他方、プルタミナは今夏、イランに進出することを決めた。イラン南部にある2つの鉱区開発について共同探査に乗り出すことで、国営イラン石油会社(NIOC)と覚書(MOU)を締結した。開発対象となるのは、フーゼスタン州にある2鉱区で、埋蔵量は合わせて約50億バレルとされる。プルタミナは今回、NIOCから液化石油ガス(LPG)を60万トン購入することでも合意した。

そのほか、インドネシア政府は8月15日、ジョコ・ウィドド大統領が、アルチャンドラ・タハル・エネルギー鉱物資源相を解任したと発表した。インドネシア国籍のほか、同氏が過去に米国籍を取得し、二重国籍である疑いが発覚したためという。インドネシアでは成人が二重国籍を取得することを禁じられているそうだ。同氏は7月27日の内閣改造でエネルギー鉱物資源相に就任したばかりで、3週間足らずで交代することになった。当面の間、ルフット海事調整相が兼任するとした。

ところで、インドネシア政府は8月、財政運営の健全化に乗り出す方針を示した。財政収支の赤字幅を縮小することで、海外からの投資を呼び込む狙いがあるとされる。同国政府は2017年度の予算案で、経済成長率を5.3%、インフレ率を4%と予測。2016年第2四半期(4~6月期)の経済成長率は5.18%で、前期(同年1~3月期)の4.91%から回復している。