今回は、東欧のルーマニアやハンガリー、クロアチアに関するエネルギー分野での最新情報を取り上げる。(国旗はルーマニア)
ルーマニアでは、国営天然ガス大手のロムガスが6月28日、ブルガリア国境に近いムンテニア地域で天然ガスの埋蔵を確認したと発表した。埋蔵量は1,5~1,7億バレル(原油換算)。RG 06ムンテニア・ノルド・エストと呼ばれる鉱区で、掘削の深さは約4,000メートル、埋蔵層の厚さは120メートルとされる。権益はロムガスが100%保有している。
また、ルーマニアの海洋油田開発企業のGSPは、Numhydがチュニジア沖合で展開する掘削業務を受注した。Numhydは、チュニジア国営石油会社のETAPとアルジェリア国営ソナトラックが折半出資した合弁企業である。GSPはかつて、チュニジア沖合の掘削業務を受注したことがあり、今回は2度目の受注となった。7月6日付のサイト『ルーマニア・ジャーナル』などが報じた。
他方、ハンガリーでは、同国の石油・天然ガス会社であるMOLグループが6月17日、パキスタンで展開中のTAL鉱区マコリ-ディープ-1井で、新たに原油・天然ガス埋蔵を確認したと発表した。今回の発見は、MOLとしてTAL鉱区で8件目となり、パキスタン全体で計12件目となった。試掘によって、原油が日量2,020バレル、天然ガスが同900バレル(原油換算)の産出を確認したという。
その約1週間後、MOLグループは、パキスタンで13件目となる天然ガスの埋蔵を発見したと追加発表した。TAL鉱区のトランジ・ウエスト-1と呼ばれるガス井で、試掘の結果、天然ガスで2,300バレル(原油換算)の産出を確認したそうだ。
このほか、クロアチアでは、同国政府が6月中旬、同国北部と東部にある石油・天然ガス鉱区の探査権を以下の3企業に認可した。カナダのバーミリオン・エナジー(4鉱区)、クロアチアのINA(1鉱区)、オアンド・ナイジェリア(1鉱区)で、探査期間はいずれも5年間。一方、前政権で認可される予定だったアドリア海での鉱区探査は、観光資源の保護などを名目に中止されている。6月10日付の『ロイター通信』などが伝えた。