液化天然ガス(LNG)ビジネス事情の2回目。今回は、世界各地でLNG基地建設工事の受注や、施設の拡張工事のほか、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)が6月初め、米ジョージア州のLNGプロジェクトを認可したニュースが伝わっている。(写真は米キンダーモルガンのHPから引用)

英エンジニアリング大手のアメック・フォスター・ウィーラーは6月6日、印インディアン・オイル・LNGプライベート(IOLP)からタミルナードゥ州東部に位置するエンノア港湾内にLNG輸入基地を建設する業務を受注したと発表した。再ガス化のプラント、港湾施設、貯蔵施設の設計・建設などを請け負う。2018年の完工を予定する。

タイでは、国営PTTが同国東部ラヨーン県で操業するマプタプットLNG輸入基地の受け入れ能力について年間150万トンに上乗せするため、2,800万ドルを投じることが判明した。5月30日付のサイト『アジア・エネルギー・セントラル』が報じた。それによると、PTTは増強工事によって2019年に1,150万トンまで引き上げる予定という。タイでは天然ガス火力発電が、発電能力の7割を占める。2015年から36年にかけて、同国の天然ガス需要は日量ベースで56億5,300万立方フィートに増加すると見込まれている。

他方、バルト3国のリトアニアが、イランでのLNGプロジェクトへの投資に前向きなようだ。5月31日付のサイト『テヘラン・タイムズ』などによると、リトアニアがすでに自国でLNG輸入基地の建設に実績があることを踏まえて、イラン側もリトアニアの提案を受け入れる方向で動いているようだとしている。

ところで、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は6月初め、米キンダーモルガンの2つの会社(エルバ・リクイファイシャル・カンパニー、サザンLNG)に対し、米ジョージア州サバンナのエルバ島LNGプロジェクトを認可した。ここにはすでにLNG輸入基地が存在し、今回は輸出基地に転換させるプロジェクトとなり、キンダーモルガンは投資額を20億ドルと見込む。LNG生産能力は年間250万トン。同社は英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルとの間で20年間の長期売買契約を締結済みだ。