イスラエルのリバイアサン天然ガス田から供給が始まる。このガス田を開発するコンソーシアムがこのほど、イスラエルの製油所と2本目となるガス供給に関する売買契約を締結した。(写真は米ノーブル・エナジーのHPから引用)

イスラエル沖合にあるリバイアサン天然ガス田を開発する米ノーブル・エナジー(テキサス州)を中心とするコンソーシアムは、イスラエル中部のビアタビアにある製油所に18年間で天然ガス130億立方メートルを供給する売買契約を締結した。5月30日付のサイト『イスラエル・ナショナル・ニュース』などによると、契約額は総額30億ドルで、2019年に供給を開始するとしている。

このコンソーシアムにとり、リバイアサン天然ガス田からのガス供給はビアタビアで2本目の契約となる。今年1月、コンソーシアムは130億ドル相当のガス売買契約をイスラエルの民間電力大手であるエデルテックと調印済みだ。

他方、リバイアサン天然ガス埋蔵層は2010年に発見された。地中海沿岸に位置するハイファから47キロメートル離れた、海底1,645メートルに位置する。天然ガス埋蔵量は17兆立方フィートと推定された。ところが、その後の調査で、ガス埋蔵量が21兆9,300億立方フィートとなったことが判明した。

イスラエル政府は昨年6月末、リバイアサンのガス田開発に関連し、米ノーブル・エナジーとイスラエルのデレク・グループに独占開発を認可することを決めた。同国政府は、この2社を認可した代わりに、タマル天然ガス田などの売却を要求した。

ところで、当社サイトのレポート「エネルギーコンフィデンシャル」(2016年5月6日付)で取り上げたように、リバイアサン天然ガス田については、ロシアが権益獲得に動いている。国営ガスプロムは同天然ガス田の権益30%を取得する意向を表明済みだ。多くの国々や企業が地中海の有望鉱区に食指を動かしている。