水素燃料の開発に関する情報が欧州を中心に目立つ。現在、欧州連合(EU)が推進する水素充電ステーションの建設にかかわるプロジェクトでは、ドイツやベルギーに計278カ所を建設する予定だ。また、水素燃料会社の英ULEMCo(本社:リバプール)が、水素とディーゼルの2元燃料式エンジンを搭載したゴミ収集トラックをスコットランドに納入するなど、開発競争が熾烈さを増しているようだ。(写真はEUのロゴマーク)

EUで水素エネルギー開発計画が進んでいる。「ファスト-Eプロジェクト」と呼ばれるもので、2017年までに水素充電ステーションを計278カ所(ドイツに241カ所、ヘルギーに37カ所)建設する計画だ。両国の主要道路沿いに80キロメートルの間隔で、充電ステーションを設置する予定という。EUの投資額は2,000万ドル。このほか、自動車会社など9社も出資する。水素充電ステーションを運営するアレグロが中心となるようだ。5月25日付のサイト『グリーン・カー・コングレス』が報じた。

他方、『グリーン・カー・コングレス』は5月24日、ノルウェーのNELの合弁企業であるウノ-X ハイドロジェンが、工業用ガスを手がけるプラクサーのノルウェー子会社とともに同国内で水素ステーションを建設することで合意したと報じた。それによると、2020年までにノルウェーの主要都市に水素ステーション20カ所を建設する計画だ。

このほか、ULEMCoが水素・ディーゼルの2元燃料式エンジンを搭載した初となるゴミ収集トラックをファイブカウンシル(スコットランド)に納入した。二酸化炭素(CO2)や大気汚染物質の排出量を削減することを目指すとしている。車載水素ボンベの圧力は350バールという。5月23日付のサイト『ビジネス・グリーン』などが伝えた。

当社サイト「エネルギーフロントライン」では、米カリフォルニア州のサンタバーバラや英国のロンドンで、水素ステーションが新たに開設される動きや、ノルウェーの水素インフラ会社H2ロジックが水素ステーション向け水素製造施設をデンマークに建設する契約で合意したことなどをすでに紹介している。(参照:2016年5月27日付)